今年の漢字が発表になりましたね。
ネット上でも話題です。
しかし、この「今年の漢字」・・・漢字検定のPRイベントって知ってる人は何人いることでしょう。
テレビが飛びつくPRという本で、「今年の漢字」を戦略的に仕掛けた様子が書かれています。
「今年の漢字」は毎年年末に、一年を振り返る「世相漢字」を選び、京都の清水寺で貫主が大きく揮毫するものです。今では年末の風物詩と思われていますが、これは1995年、財団法人日本漢字能力検定から、当時まったく無名だった「漢検」を有名にして受験者を増やしてほしいと依頼を受けた私が企画したPRイベントでした。
漢字検定は確かに有名になりましたね。
当時は無名だったそうです。
確かに聞くようになったのはここ10年ですね。
「その年の世相をビジュアルで語れば、テレビが大きく報道してくれるに違いない」。そう思った私の目論見は見事に当たりました。
当たり過ぎです!!
とにかくお金がなかっため、一時はビジュアル演出(豪華な会場を用意して大々的に発表するなど)は諦めなければならないと思ったこともありました。
しかし、漢検の幹部に”京都の人脈”に通じ、清水寺とも懇意な方がいたため、清水寺に「発表の舞台をお借りしたい」と申し入れることができたのです。
当時、あの漢字検定にお金がなかったんですよ!
確かに漢字と清水寺の親和性は良いですね。
お金がないからこそ出てきた舞台だったのですね。
そのうち、時の首相までが「私の今年の漢字」を発表するようになり、全国の小学校や中学校でも授業に取り入れられるようになりました。新聞でも「あの人の今年の漢字はこれだ」といった特集を組み、全国の知事、市長、有名な経営者までもが「今年はこんな漢字」と、それぞれの地域や会社を漢字で表すようになっていったのです。
あとは無料拡散ですよね。すごすぎる・・・
その結果・・・
漢字ブーム
↓
漢字検定受験者爆上げ
↓
儲かりすぎて漢検協会事件・・・
お金をかけずにネタを提供するPR戦略って、一番レベルが高い戦略だと思うのですが、見事に成功するとこうなるわけですね。
まぁ後半はモラルの問題で、PRとは関係ないんですが、成功しすぎてお金が集まるとこういうこともあるわけで・・・(苦笑)
この本の著者、殿村さんはPR専門家として数々のブームを戦略的に作られています。
佐世保バーガー
さぬきうどん観光
ひこにゃん
そういえば、これも当たりすぎてデザイナーと揉めてましたね・・・
思わず「え?これって狙って作られたの?」というブームばかりですが、ぜーんぶ狙いです。
神すぎる・・・
テレビCMに大金を費やす前に、低価格でアピールする方法を模索したいものですね。