元ゲーム業界でバイヤー(部品調達)をやってた身としては、こういうニュースは非常に興味深いです。
IT / ニンテンドー3DSの幼児使用への警告は一部専門家の見解=任天堂CEO / The Wall Street Journal, Japan Online Edition – WSJ.com
岩田氏によると、任天堂は3月末までに3DSを世界に約400万台出荷する計画。このうち約150万台程度が日本市場への出荷という。
スマートフォンの出荷が伸びてるこの時期に400万台ですよ。
電子部品がよく確保できるものです。
さすが任天堂。
電子部品というのは、メーカー側が生産ラインを増やさない限りは、供給量が基本的に決まっています。
例えばとあるメーカーが、特定のコンデンサを3億個用意できるくらいの生産ラインを持ってたとします。
そしたら世界中でその3億個を分けるわけです。
もちろん足りない分は作ればいいのですが、今から作っても半年とかかかったりするわけです。そうなると製品の市場投入に間に合いません。
マーケティングに成功しても売るものが無いという事態に陥るわけです。
私がバイヤーをやってた時代、こんなことがたまにありました。
あびる「この部材、来月欲しいんですが、入りますか。」
メーカー「半年後ですね。」
あびる「えっ・・・(絶句)」
でもメーカー(や商社)にモノはあるわけです。
どこにいくつ出すか、という振り分けの問題です。
こうなるとあとは政治力です。
バイヤーと担当者の信頼関係、またはこちらの上司とあちらのお偉いさんの普段のつながりやビジネス上の貸し借りなどが影響してきます。
普通にゲームしているだけでは分からないと思いますが、裏ではこんなことが行われているんですよ。
ちょっと前の記事ですが、こんなのも面白かったです。
痛いニュース(ノ∀`) : 任天堂、3ヶ月毎にシャープと日立に合見積をとり価格を下げさせ続けていた…DSの価格はその間据置き – ライブドアブログ
コメントを見れば、一般の人がいかに商売を知らないかがよく分かりますね。
なので、私は出荷台数のニュースを見かけるたびにバイヤーや生産現場の苦悩が思い浮かんで、
「ああ、あの仕事やめて良かったな」
と思うんですwww
社会勉強にはなりましたけどね。